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ミラベルと魔法だらけの家

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『ミラベルと魔法だらけの家』(ミラベルとまほうだらけのいえ、原題: Encanto)は、2021年のアメリカ合衆国のコンピュータアニメーション・ファンタジー・ミュージカル・コメディ映画。ウォルト・ディズニー・ピクチャーズとウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ製作。同時上映は『ツリーから離れて』。 ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオとしては同年公開の『ラーヤと龍の王国』に次ぎ、1937年公開の『白雪姫』から数えて60作目となる長編映画で、2017年公開の『モアナと伝説の海』以来4年振りの新作オリジナル・ミュージカル映画となった。 南米コロンビアの奥地にある「エンカント」と呼ばれる場所には、魔法の力を宿し、意思を持った家「カシータ」が建っていた。ここに住むマドリガル一族は、「魔法のギフト」を持つ家系で、それぞれ個室を持って暮らしていた。ミラベル・マドリガルが5歳の頃、一家の長である祖母、アブエラ・アルマはミラベルに自身がまだ若かった頃のマドリガル家の伝説を語っていた。 若き日のアルマは夫であるペドロや生まれたばかりの3つ子と幸せな日々を過ごしていが、故郷で迫害を受け、ペドロは追手である兵士からアルマたちを庇って犠牲となった。その時、ペドロが掲げていたロウソクに魔法の力が宿り、地面から山々がせり上がってアルマ一家と追っ手を遮る谷となった。ロウソクの火は燃え続け、アルマ一家や仲間たちはこのエンカントで新たな暮らしを始めた。やがて3つ子のブルーノ、フリエッタ、ペパは5歳になり、魔法のギフトを授かる時が来た。ブルーノは「未来を見る魔法」、フリエッタは「食事で人を癒す魔法」、ペパは「感情で天気を操る魔法」を手に入れ、魔法のギフトを得たマドリガル家の者たちはその力をエンカントの人々のため使ってきた。時は流れ、フリエッタの娘として生まれたミラベルも5歳になり、魔法のギフトを授かる日が訪れた。 さらに時は流れ、ミラベルは15歳になった。長姉のイサベラは「花を咲かせる魔法」、次姉のルイーサは「怪力の魔法」を手に入れていた。叔母のペパの三人の子供でミラベルのいとこにあたる長女のドロレスは「聴力の魔法」、長男のカミロは「変身の魔法」を授かっていたが、まだ4歳である次男のアントニオはまだ魔法を授かってはいなかった。フリエッタの夫でミラベルたちの父のアグスティン、ペパの夫のフェリックスは2人とも婿養子であり、魔法は持っていない。そんな一家でただひとり、叔父のブルーノは行方をくらませていた。そして、ミラベルはなぜかアグスティンとフェリックス、アントニオを除く一家でただひとりだけ魔法を授かっていなかった。ミラベルの5歳の誕生日に魔法のギフトを得られなかったのだ。そのことでミラベルは負い目を感じており、いつか授かる時を待ち望みながら暮らしていた。 アントニオの5歳の誕生日。エンカントの人々が見守るなか、魔法のギフトの儀式に臨んだアントニオは「動物と会話する魔法」を授かった。アントニオを祝うパーティーが開かれたが、ミラベルは、ロウソクの火が消えかけ、カシータが崩れかけるのを発見した。一族らにこのことを伝えようとしたが、誰一人として忠告を聞き入れようとしなかった。 その夜、ミラベルがロウソクの部屋に向かうと、アルマがロウソクの火が消えそうなことで嘆いていた。ブルーノが過去にロウソクの火が消えることを予言していたのだ。 翌日、ミラベルはドロレスを通じ、ルイーサの様子がおかしかったことを聞き出した。ルイーサは、怪力の魔法が弱まりつつある自覚があり、魔法を失うことを極度に恐れていることをミラベルに打ち明けた。続いてミラベルは、異変を予言していたブルーノの部屋から手がかりを探すことにした。ブルーノの部屋には緑に輝く欠片があり、集めるとビジョンが見え、ミラベルの顔が映し出された。ミラベルは一連の異変の原因が自分にあるのではないかと考えた。 その日の夕食。一家はイサベラの結婚話について語り合っていた。イサベラには集落の青年マリアーノとの縁談が持ち上がっていた。ところが、アルマはミラベルがブルーノのビジョンを手にしたことに気付き、ミラベルはその場から逃げ出した。途中の通路で、長らく失踪していたブルーノと遭遇した。ブルーノは未来を見る魔法でロウソクの火が消え、カシータが崩れ去る未来を見たのだ。その際にミラベルのビジョンも見たブルーノは、ミラベルに悪影響が及ぶことを恐れ、自分が元凶となって姿を隠したのだ。ミラベルは手がかりを求め、ブルーノにもう一度未来を見るよう頼んだ。ブルーノはアントニオの協力を得て、アントニオの広い熱帯雨林の部屋でビジョンを見た。そこには今にも崩れそうなカシータ、火が消えそうなロウソクの前でミラベルと仲の悪い長姉、イサベラがハグをしている光景が映し出された。ミラベルは、カシータを救いたい一心で勇気を出してイサベラの元に向かった。2人は口論になった末、ミラベルは、イサベラが周囲から優等生として期待されてきた重圧に悩んでいることに気付いた。マリアーノとの縁談も周囲の期待に応えるためにやむなく受け入れたことだった。イサベラは魔法が使えずとも自由気ままなミラベルを羨ましく思っており、和解を果たしたミラベルとイサベラはハグを交わした。ところが、それを見つけたアルマはミラベルが魔法の崩壊の原因だと責め立てた。その時、一度は収まっていたカシータのひび割れが再び酷くなり、ミラベルは身を挺してロウソクを守ろうとしたが、火は消え、カシータも崩壊してしまった。自責の念に駆られたミラベルはその場から逃げ出し、川のほとりで涙にくれた。そこにアルマが現れ、この川こそがかつて自分が魔法の奇跡を授かった場所であることを打ち明けた。故郷を追われ、夫を失ったアルマは魔法の奇跡を失いたくないがために必死だったと語り、全ては自分の責任だと認めた。そこにブルーノも駆け付け、アルマはブルーノとの再会を喜び合い、3人はカシータの跡地へ戻ることにした。カシータが失われたことでマドリガル家の一族は魔法の力を失っていた。その時、カシータの跡地で佇むマドリガル家のもとに、これまで魔法の力で助けられてきたエンカントの人々が駆け付け、恩返しとして家を修理したいと買って出た。そしてエンカントの人々は力を合わせて新しい家を建てた。 新しい家が完成し、ミラベルは家族に促され、ドアノブを取り付けた。すると家にたちまち魔法の力が甦り、家はカシータになった。マドリガル家の一族にも魔法の力が戻り、ミラベルたちは一家全員で記念写真を撮るのだった。 ミラベル・マドリガル: ステファニー・ベアトリス(斎藤瑠希) - 本作の主人公にしてヒロインの15歳。5歳で行う儀式において魔法のギフトを授からなかったため、マドリガル家で唯一魔法が使えず、本人もそのことを気にしながら兄弟や従姉妹達の中でただひとり普通の部屋で暮らしている。 5歳のミラベル・マドリガルは、ノエミ・ジョセフィーナ・フローレス(中村優月)が担当した。 アブエラ・アルマ・マドリガル: マリア・セシリア・ボテロ(中尾ミエ) - ミラベルの祖母。75歳。一家の大黒柱。かつては夫ペドロと子ども達と共に幸せに暮らしていたが、迫害を受けたことで家と夫を失った過去を持つ。本作のディズニー・ヴィランズに相当するが、あくまでも家を守らないといけないという使命ゆえであり、根っからの悪人ではない。 アルマの歌は、オルガ・メレディスが担当した。 ブルーノ・マドリガル: ジョン・レグイザモ(中井和哉) - ミラベルの叔父。アルマとペドロの三つ子のうちの長男。50歳。未来を見る魔法が使える。 フェリックス・マドリガル: マウロ・カスティージョ(勝矢) - ペパの夫でミラベルの叔父。50歳。マドリガル家の婿養子でごく普通の人間。 ルイーサ・マドリガル: ジェシカ・ダロウ(ゆめっち(3時のヒロイン)) - マドリガル家の次女でミラベルの次姉。19歳。大柄な体格で、怪力の魔法が使える。ストレスを感じると瞼が痙攣する癖がある。 フリエッタ・マドリガル: アンジー・セペダ(冬馬由美) - ミラベルの母親でアグスティンの妻。50歳。料理で人を癒す魔法が使える。 ペパ・マドリガル: カロリーナ・ガイタン(藤田朋子) - ミラベルの叔母でフェリックスの妻。50歳。天気を操る魔法が使えるが、感情に左右されやすく頭上に雨雲や雷として現れる。 イサベラ・マドリガル: ダイアン・ゲレロ(平野綾)- マドリガル家の長女でミラベルの長姉。22歳。花を咲かせる魔法が使え、自室は様々な草花で彩られている。 アグスティン・マドリガル: ウィルマー・バルデラマ(関智一) - ミラベルの父親でフリエッタの夫。50歳。マドリガル家の婿養子でごく普通の人間。よく蜂に刺されては手や顔を腫らしている。 カミロ・マドリガル: レンジー・フェリズ(畠中祐) - フェリックスとペパの息子でミラベルのいとこ。15歳。姿を変える魔法が使える。陽気な性格で誰かに成りすましてはイタズラしている。 アントニオ・マドリガル: ラヴィ・キャボット=コニャーズ(木村新汰) - フェリックスとペパの息子でミラベルのいとこ。5歳。作中で動物と話をする魔法のギフトを授かる。従弟兄弟の末っ子。自室は熱帯雨林になっており、様々な動物が住む。服装は、序盤は赤い文字で「A」のイニシャルが大きく書かれたTシャツを着て、終盤は緑の文字で「M」のイニシャルが大きく書かれたTシャツを着ていた。 ドロレス・マドリガル: アダッサ(大平あひる) - フェリックスとペパの娘でミラベルのいとこ。カミロとアントニオの姉。。21歳。従弟兄弟の一番上。聴力の魔法が使える。 マリアーノ・グスマン: マルーマ(武内駿輔) - イサベラの婚約者で、マドリガル家の隣人。 セニョーラ・グスマン: ローズ・ポーティロ(宮沢きよこ) - マリアーノの母親でマドリガル家の隣人。 オスバルド: フアン・カスターノ(菊池康弘) - ブルーノが予言した腹が出るロバの配達人。 セニョーラ・オズマ: サラ=ニコール・ロブレス(木村涼香) - ルイーサに川のルートを変えるよう頼んだ町人。 アルトゥーロ: エクトル・エリアス(小林操) - 消えゆく魔法に不安を覚える町の仲間についてアルマに尋ねる町人。 ピコ: アラン・テュディック - ブッシュが「無知」と表現したオオハシ。 ティプレ奏者: ホルヘ E. ルイズ・カノ(相馬康一) 町の子供たち: アリッサ・ベラ・カンディアーニ、ノエミ・ジョセフィーナ・フローレス、ペイズリー・デイ・エレーラ、ブルックリン・スカイラー・ロドリゲス、エズラ・ルドゥルフ(野地祐翔、石内美羽、鈴木聖月、及川綾) その他の日本語吹替として、堀総士郎、ケンコー、江頭宏哉、新井笙子、藤井雄太、縞典花、稲熊美緒、内田ゆう、大木理紗、久保田陽子、鈴木佐江子、安西康高、岡崎昌幸、風雅なおと、渕上祥人、中村茉稟、黒川明美、平賀晴、ナオト・インティライミが担当している。 2016年11月の『モアナと伝説の海』の告知で、ミランダは、当時ディズニー・アニメーションのチーフ・クリエイティブ・オフィサーだったジョン・ラセターが自身とハワードに提示したプロジェクトに初期段階の作業が始まっていることを明かした。ハワードとブッシュは『ズートピア』の製作を終えた後、次のプロジェクトはミュージカル映画にすることを要望し、ミランダの参加後、ラテンアメリカのミュージカル映画になったと語った。また、すでに「2人の人物が世界に出て互いを知る」というバディムービーに取り組んでおり、「まったく違うこと」に挑戦したかったと語った。3人は、大家族という共通の経験について話し合い、12人の主人公で大家族を描いたミュージカル映画を作ることに決定した。 ハワードとブッシュは、本作の製作に要した5年の間、「他の家族をどう見ているか、自身がどう見られているか」という「視点」というテーマを真北に据えた。まず、ホワイトボードでアイデアを出し合うことから始めた。本作のストーリーの基礎となる、家族についての「3つの重要な発見」を彼らは早い段階で行い、「1. 家族から本当に見られているとは思っていない、2. 家族に見せたことのない重荷を抱えている、3. 特に自分の家族の中で、全ての人が同じように感じていることに気づいていない」と導き出した。そして、ラテン音楽が持つ「生き生きとした幅広いスペクトル」が、家族関係の複雑さを最もよく表現できると提案したのはミランダだった。 製作初期に、チームは多くのセラピストや心理学者と対談し、4人家族の場合で両親のうち誰が1番気にかけられるかと聞かれた。その時の回答はそれぞれ異なったが、ブッシュは「それは、家族の中で自分がどのように認識されているかということだ」と結論づけた。また、家族やディズニー・アニメーションの関係者とも対談した。 ハワードとブッシュは、以前、メイキング・ドキュメンタリー『ズートピア』をともに製作したホアン・レンドンとナタリー・オスマとラテン文化についてじっくりと語り合うようになった。レンドンとオスマは、偶然にもコロンビア出身で、コロンビア文化に関する個人的な経験を何度も引き合いに出して議論したため、ハワード、ブッシュ、ミランダは、コロンビアに焦点を当てた研究をすることになった。レンドンとオスマは、ディズニー・アニメーションが本作のコンサルタントとして雇った文化専門家の最初の2人となり、ディズニーが「コロンビア文化トラスト」と呼ぶ集団を結成した。 2018年、レンドンとオスマは、ハワード、ブッシュ、ミランダのコロンビアへの調査旅行に同行した。2週間の滞在中、彼らは建築家、シェフ、職人たちと会い、その国の文化に浸った。また、ガブリエル・ガルシア=マルケス財団にも訪問した。ボゴタやカルタヘナといった大都市はもちろん、サレントやバリチャラといった小さな町にもインスピレーションを得たという。ブッシュは、この国の山がちな地形が町を分断し孤立させているため、どの町にも個性があることに気付いた。 ディズニーファンクラブ発行の『Disney twenty-three』によると、マドリガルの住居を「人里離れた『encanto』、つまり精神的に恵まれた場所、魔法と現実が融合する領域」に置くにはこの隔離が鍵になったという。コロンビアの観光ガイド、アレハンドラ・エスピノサ・ウリベが説明するように、コロンビア人は「魔法を感じる聖地に囲まれ、その存在に疑問を持たずに共存している」のだ。 バリチャラではエスピノサ・ウリベと親しくなり、町を案内してもらい、その後、本作の歴史的・文化的信憑性を確認するために彼女を雇うことになった。ウリベは、本作の主人公であるミラベルの巻き毛の黒髪、大きな眼鏡、仕草など、いくつかの点からインスピレーションを得たという。ミラベルのスカートのデザインは、ベレスで織られている伝統的なスカートから着想を得た。 最終的には、20世紀初頭のコロンビアからインスピレーションを得て、時代設定を意図的に曖昧にした。1950年代を探った後、監督たちは本作の美術設定を1900年代初頭に移し、「コロンビアの民俗的な美学」を用いることにした。20世紀初頭、この国は千日戦争に見舞われ、本作で描かれているように、村人全員が自らを守るために逃亡するという事態に見舞われた。 家族全員の成長、複数の歌、マジックリアリズムの深い伝統を持つ豊かな文化的設定など、本作が着実に複雑化していくにつれ、ハワードとブッシュは、2人目の脚本家が必要であることに気がついた。シャリーズ・カストロ・スミスは、マジックリアリズムに長けており、「現実世界の家族の力学」を扱った経験があることから選ばれた。ブッシュは、彼女を心の拠り所、脆弱性、信頼性を提供する「天の恵み」と評した。カストロ・スミスは、ミラベルという個性的で不完全、かつ完全に人間的なキャラクターを作り出そうとした。それは、多くのラテンアメリカ人の人生に語りかけると同時に、世界に親近感を持ってもらえるようなキャラクターだった。 ミランダは『モアナと伝説の海』の製作を通じて、本作の主人公であるモアナにはもともと8人の兄弟がいたが、プロットを合理化するために削除されたことを知っていた。その経験からミランダが予想したように、ディズニー・アニメーションは当初、本作のために12人のメインキャラクターを用意することに抵抗があった。ミランダは、本作のオープニングナンバー「ふしぎなマドリガル家」を意図的に書き、このような大家族とその内部のダイナミクスを観客に効率的に紹介することが可能であることをディズニー・アニメーションに証明した。90分という上映時間のため、マドリガル家に本物感、肉付け、人間味を持たせ、アークを与えることに苦労した。 スタッフは、一目でわかる家族の原型をもとに本作を製作することに力を注いだが、そのような型にはまることなく、家族というのは「仮面」よりもっと複雑なものであることを示すことに最終的にまとまった。マドリガル家は、一般的な家族を基に誇張され、魔法のギフトが与えられてる。例えば、イサベラとルイザは、それぞれ「金の子」と「岩」をモチーフにしている。ブッシュは、この方法によって、それぞれのギフトが恣意的になることを防ぎ、感情や個性によって規定されるようになったと説明した。 他のディズニー・アニメーション作品と同様、本作も何種類ものバージョンが製作され、さまざまなストーリーのアイデアが検討・破棄された。途中で破棄されたアイデアとして、現代の若い女性が魔法のドアによって異世界に飛ばされる、アグスティンはエンカントを発見した家長で自らカシータを建設した、1950年代を舞台にコスモポリタンでモダンなファッションやモータービークル、そしてアルマの故郷である大都会への旅が表現されていた、カシータは家族全体というより、アルマだけの個性の延長線上にあった、100年という時間軸で、複数の世代とカシータの物語を追う、ミラベルは、魔法の才能が与えられないことに不満を表明しているのではなく、必死で見つけようとしていた、ミラベルの世界の色彩は、第1幕と第2幕ではミラベルの心情を反映し、第3幕でアルマの視点に移ると、よりリアルな色彩に変化した、ルイーザの部屋は、彼女の責任感を反映し、石造りで退屈に見えるが、彼女が楽しめるテーマパークのような隠し部屋への秘密の出口が隠されていた、イサベラには、大都会からやってきたブボという求婚者がいた、というものがあった。 公開後、ブッシュはTwitterで、これまで議論され、保留にされていたアイデア、「アルマはペドロの死の瞬間、川で3つ子を産み、イサベラとミラベルは互いに敵対し、殴り合いの喧嘩になる」といったストーリーを明らかにした。ハワードによると、数年かけてプロットが進化していく中で、「作品全体の核」となるのは常にミラベルとアルマの関係だったという。 ディズニーは、父親がコロンビア人のステファニー・ベアトリス、ボゴタ生まれのジョン・レグイザモ、母親の故郷であるコロンビアで幼少期を過ごしたウィルマー・バルデラマなど、コロンビアの血を引く俳優たちを起用した。 マドリガルがコロンビア人であることや、ミラベルが動物の相棒を持たないことから、彼が声を当てることができる役は存在しなかったが、ディズニーの「お守り」とも言われるアラン・テュディックがオオハシのピコ役でカメオ出演した。初めてレコーディングスタジオに来た時、テュディックはピコのスクラッチボーカルが実はオオハシではなく、オウムであることをスタッフに知らせた。彼は何時間もかけて、様々なオオハシの真似をした。チームは彼に英語で話しかけ、テュディックはオオハシの鳴き声を使ってそれに応えた。 本作は、レナト・ドス・アンジョスとキラ・レイトマキがこれまで担当してきた中で「最も難しい作品」だった。多くのキャストの中から2、3人のキャラクターを中心に描く他のアニメーション映画とは異なり、12人のキャラクターを完全に育てることが求められたからだ。そのため、キャラクターはそれまでのディズニー・アニメーションにはない複雑さが要求された。ジャーナリストのエドナ・リリアナ・ヴァレンシア・ムリージョは、アフロカリビアンのコンサルタントとして、フェリックス、ドロレス、アントニオのデザインに大きく貢献した。ハワードによると、アフロ・ラタンのヘアスタイルは欠かせなかったという。衣装デザインを担当したネイサとアソシエイト・プロダクションデザイナーのロレー・ボヴェは、本作の様々なコミュニティをうまく表現したいと考えた。ネイサは、人類学者や植物学者など、コロンビアのコンサルタントを依頼した。 本作でよく描かれるクロロプレンゴムに似た生地ではなく、登場人物の衣装は全体的にゆったりしており、コロンビアからやってきたかのような服装となっている。刺繍や質感、動きなどを重視し、イサベラ以外の衣装はアシンメトリーで、ハンドメイド感がある。また、個性や家族の絆が色で表現されており、ペパとフェリックスの家族は、オレンジ、黄色、赤といった暖色系の服を着ているが、これはフェリックスのカリブ海の祖先へのオマージュとなっている。 対照的に、ジュリエッタとアグスティン側は、青、紫、緑などのクールな色調の服を着ている。アルマは、紫、黒、茶などのダークな色調となっている。ルイサのスカートのバーベルやペパの太陽のピアスなど、マドリガルはそれぞれ自分の才能を示すシンボルを服につけている。ミラベルは才能がないため、スカートに顔と名前の他に、他の家族の才能を示すマークが刺繍されている。 エンカントの住人はニュートラルなトーンの服を着ているため、鮮やかな色で区別されている。そのため、メインキャストよりもデザインに苦労することがあったと、ビジュアル開発担当のジン・キムは語った。ディズニーは、村人たちの服をシンプルなシルエットで表現し、コロンビアのコーヒー産地の住民と同じように見えるようにした。 アニメーターは監督から、ミラベルをこれまでのディズニーのヒロインとは違う存在にするよう指示された。彼女は有能でありながら不完全であり、ただ不器用なだけであってはならないのだ。カシータは、コロンビアの伝統的な家屋だけでなく、『ビートルジュース』など、家が生き生きと動く映画からもインスピレーションを受けている。 製作チームは調査の結果、音楽、ダンス、リズムがコロンビアの日常生活の中心的な要素であることを知った。その結果、本作はディズニー・アニメーション作品としては初めて、振付師が最初から最後まで製作に携わり、チームと密接に連携して曲やキャラクター、ストーリーを製作することになった。 これは、昔の映画では、特定のシーンのために振付師を雇う時点で、すでにストーリーが出来上がっていたのとは対照的である。本作では、当初アフリカ系アメリカ人の振付師ジャマール・シムズを起用したが、シムズは直ちにコロンビア系アメリカ人のダンサー、カイ・マルティネスをアニメーション・リファレンス・コンサルタントとして起用することを主張した。ダンサーチームとともに各シーンの振り付け参考映像を用意し、アニメーターにシーンをフィードバックしながらアニメーションを製作していった。ルイサはレゲトン、ミラベルはカリ、サルサというように、キャラクターごとに異なるダンススタイルを確立した。 イサベラが咲かせることができる草花の選定とアニメーション製作には、コロンビアの植物学者フェリペ・サパタが携わった。彼のアドバイスにより、適切な植物が選ばれ、細部まで正確に描かれるようになった。ジャカランダやイチジクの川、イサベラが作るスズランの滝は、すべてこのアドバイスに基づいて作られた。背景の植物もリアルに表現されており、象徴的でありながら今では傷つきやすいケロクシロン・クインディウエンセや、ドラマチックなセクロピアの木、コーヒーノキなど、様々な場面で重要な植物も登場した。 本作の製作には800人以上、うち108人がアニメーターとして携わった。ディズニー・アニメーションは、本作の製作からその移行に備え、2020年3月15日から多くのアニメーターをコロンビアに派遣する予定だった。この2回目の調査旅行は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、中止せざるを得なくなった。スタジオのアニメーターは、コロンビア文化トラストとテレワークを行うことになった。例えば、エスピノサ・ウリベは、携帯電話を頼りにアニメーターにコロンビアのバーチャルツアーを提供した。ダイアン・ゲレロは、コロンビアの親族が撮影したコロンビア料理の写真をスタジオのデザイナーに送った。 2020年6月22日、ミランダは『グッド・モーニング・アメリカ』で、ブッシュとコロンビアを舞台にしたディズニーアニメの製作に取り組んでおり、ブッシュとバイロン・ハワードが監督、チャリーズ・カストロ・スミスが共同監督を務めることを発表した。 2020年6月18日、仮題が『Encanto』であることが明らかになった。このプロジェクトはミランダが関わった作品であることも発表され、魔法を扱う家族の少女を描いた作品であることも発表された。2020年12月10日、ディズニー・インベスター・デイのミーティングでこのプロジェクトが正式に確定し、クリップが上映され、2021年秋の公開が発表され、マジックリアリズムについても言及された。ブッシュによると、本作の脚本は2021年8月に終了し、その1カ月後に本作の製作が終了した。新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、多くのスタッフが1年以上遠隔地で共同作業を行い、ディズニーが最終版の社会見学的な野外上映会を開くまで、直接顔を合わせることはなかったという。 本作は、『塔の上のラプンツェル』以来、ディズニー・アニメーション作品としては初めてトールフレームを採用し、「キャラクターにより近づく」ために決定された作品となった。また、このレイアウトにロマンティシズムの照明が加わった。ハワードによれば、撮影と照明のアプローチにおいて、「ロマンティック(精神の高揚を意味する)が本作のキーワードで、脚本や登場人物にマジックリアリズムの影響を強く受けていることから、後者もマジックリアリズムからヒントを得た」という。 監督たちは、本作の光学系を使って強い感情を表現することを目指していた。撮影と照明のディレクターであるアレッサンドロ・ジャコミニとダニエル・ライスは、これについて「知覚を増幅、誇張、歪曲させるもので、語り手であるミラベルの視点に非常に合致している」と述べた。「仲間はずれにされた」という彼女の気持ちも、エモーショナルな照明で表現されている。監督は、個々のパーツの複雑さだけでなく、すべてのシーンの感情的なサブテキストをスタッフに頻繁に思い出させた。そのサブテキストは、ワーナー、ジャコミニ、ライスによって、「増していくプレッシャー」という曲のような凝ったシークエンスに応用された。 2020年6月、ミランダは本作の音楽を書き始めたことを公にし、スペイン語と英語の両方で8曲のオリジナル曲が作られることになった。プレミア上映後、彼は最初から本作のために曲を書いていたことを明かした。2021年9月8日、『リメンバー・ミー』の楽曲を共同作曲したジェルメーヌ・フランコが、本作のスコアを担当し始めた。 2021年11月19日に発売された本作のサウンドトラックは、映画と同様に商業的に大成功を収め、全米ビルボード200で1位を獲得し、『アナと雪の女王2』以来のディズニー・サウンドトラックとして、同チャートの首位を獲得した。楽曲『秘密のブルーノ』は様々な記録を塗り替え、ディズニーで最も成功した楽曲の一つとなった。この曲は、アメリカのBillboard Hot 100と全英シングルチャートで首位を獲得し、ディズニーにとって21世紀初の前者でのナンバーワン曲、後者では史上初のナンバーワン曲となり、本作はナンバーワン曲とナンバーワンアルバムを生み出した初のディズニー映画となった。 劇中歌「All Of You」(奇跡はここに)には『アナと雪の女王』の楽曲「レット・イット・ゴー」のイントロのメロディと「Let it go」という歌詞が引用されており、エンドクレジットにも記載された。 ミラベルは眼鏡をしているが、これはディズニーアニメーション作品のヒロインでは初めてのことである。この眼鏡のキャラクターの設定について、監督であるバイロン・ハワードやジャレド・ブッシュは、眼鏡は本作のテーマと深く結びついたものだとした上で「家族内における視点」というアイデアから生まれたものであることや、ミラベルという人物の根幹を成しており、名前の「ミラ」はスペイン語で「見る」という意味から由来していると説明している。 2020年12月10日、ディズニーのインベスター・デイで、本作のファーストルックが公開された。2021年7月8日に予告編が公開され、ルイザの肉体美にネットユーザーから絶賛され、「バフ・レディ」と呼ばれるようになった。2021年9月29日、公式の予告編が公開された。オープニングの週末、ディズニーは本作のプロモーションのために1,400万ドルをテレビ広告に費やし、12億6,000万回のインプレッションを記録した。『Deadline Hollywood』は、このマーケティングが他のディズニー作品との差別化に失敗し、観客に『リメンバー・ミー』と似たような作品になると思わせてしまったと述べた。/Filmは、ディズニーのマーチャンダイジングに批判的で、そのほとんどがミラベルとイサベラをフィーチャーしたものだった。マドリガル家の多くは、家族全員のより高価な商品しか買えないのだ。イサベラは完璧で美しい姉妹と考えられているため、これは、美が若い女性にとって最も効果的なマーケティング戦術であるという考えを補強するものであると、同サイトは述べた。 ディズニーは2021年11月3日にロサンゼルスのエル・キャピタン劇場で本作のワールドプレミアを開催し、さらに11月23日にはコロンビアのボゴタにあるテアトロ・コロンでコロンビア・プレミアを開催した。11月24日にアメリカで劇場公開された。新型コロナウイルス感染症の世界的流行に対応し、30日間の独占劇場公開を経て、12月24日にDisney+で公開された。短編映画『ツリーから離れて』も同時上映された。後の2022年1月7日に中国でも公開された。2月16日、Disney+でのヒットとアカデミー賞ノミネートを受け、映画館で再公開された。 本作は2021年12月24日にDisney+で配信され、2022年2月8日にウォルト・ディズニー・スタジオ・ホーム・エンターテイメントからDVD-Video、Blu-ray Disc、Ultra HD Blu-rayで発売された。ボーナス映像として、「Let’s Talk About Bruno」「Our Casita」「Journey to Colombia」「Familia Lo Es Todo」「A Journey Through Music」、歌唱版などが収録された。同時に短編映画『ツリーから離れて』もストリーミングなどで公開された。 Disney+での配信開始以来、ニールセンの週間ストリーミングチャートで常に上位を占めており、直近では総視聴時間12億2,400万分となっている。推計によると、2022年に最も視聴された作品で、視聴時間は274億分、完全上映回数は約2億6,900万回となった。年末の2位作品『私ときどきレッサーパンダ』(114.3億分)の2倍以上となった。 本作は、アメリカとカナダで9,610万ドル、その他の地域で1億6,040万ドル、全世界で2億5,650万ドルの興行収入を記録した。『SING/シング: ネクストステージ』に抜かれるまでは、2021年のアニメ映画で最高の興行収入を記録していた。製作費とマーケティング費用、映画館の収益分配を考慮すると、収支を合わせるために全世界で少なくとも3億ドルの興行収入が必要と推定された。それでも、2021年の年末年始に流行し、12月24日にDisney+にデジタル配信されたことで、より広い商業的成功を収めた。 アメリカとカナダでは、『ハウス・オブ・グッチ』『バイオハザード: ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』とともに公開され、当初、公開5日間の週末興行収入は3,980館で3,500万ドルから4,000万ドルと予測されていた。2021年11月24日金曜日(アメリカの感謝祭の前日)に公開され、火曜夜の試写の150万ドルを含む初日750万ドルを記録した。その後、最初の5日間で4060万ドルを記録した。鑑賞した映画ファン370万人のうち、52%がラテン系・ヒスパニック系、51%がファミリー層、62%が女性だった。5日間のオープニング興収は、2015年に興行的に失敗したピクサーの『アーロと少年』(5,540万ドル)より低かったものの、本作は新型コロナウイルス感染症の世界的流行の間、アニメ映画として最高のオープニング週末を記録した。 2週目の週末成績は1,310万ドルで、『アーロと少年』(1,530万ドル)や『塔の上のラプンツェル』(2,160万ドル)には及ばないが、『プリンセスと魔法のキス』(1,210万ドル)よりは上回った。その後、3週目と4週目の週末にそれぞれ1,000万ドルと650万ドルを記録し、2位を獲得した。5週目の週末には180万ドルを記録し、興行成績は9位に落ちた。6週目の週末は108万ドルで10位となった。7週目の週末には興行成績トップ10から脱落し、61万ドルで11位となった。 アメリカとカナダ以外では、オープニングの週末に47の市場から2,930万ドルを記録した。最初の5日間の上位国は、フランス(350万ドル)、コロンビア(260万ドル)、イギリス(240万ドル)、韓国(220万ドル)、イタリア(210万ドル)であった。2週目の週末に2,070万ドル、3週目に1,360万ドルを記録した。4週目の週末には、コロンビアのアニメ映画で歴代2位の興行収入を記録した。5週目の週末には、アメリカとカナダ以外で1億ドルの大台を超えた。6週目の週末に350万ドル、7週目に580万ドル、8週目に360万ドルを記録した。2022年1月9日現在、最大の市場はフランス(1,850万ドル)、コロンビア(1,020万ドル)、イギリス(880万ドル)、スペイン(730万ドル)、日本(660万ドル)である。 本作は批評家から好評を博した。ニュースチャンネル『CNBC』は、批評家たちが本作をウォルト・ディズニー・アニメーションの最高傑作のひとつとみなしていると報じた。レビュー収集サイトである『Rotten Tomatoes』では、200人の批評家のうち91%が肯定的で、平均評価は7.5/10である。同サイトのコンセンサスには、「設定と文化的視点はディズニーにとって新しいものだが、最終的な結果は同じで、家族全員で楽しめる魅惑的で美しいアニメーションである」とある。加重平均を採用している『Metacritic』では、41人の批評家による評価で100点満点中75点を獲得し、概ね好評を博した。『CinemaScore』の観客はA+からFまでの評価で平均「A」をつけ、『ポストトラック』の観客は88%の好評価を与え、70%が「ぜひ勧めたい」と回答した。 本作のアニメーションは、ジャーナリストが美しいと評価したもので、賞賛の声が上がった。『RogerEbert.com』の批評家であるモニカ・カスティーヨは、「ミュージカルシーンや登場人物の部屋では、これまでのディズニー映画よりも芸術的で抽象的なアニメーションが可能である」と評価した。『グッド・モーニング・アメリカ』のピーター・トラバースは本作の映像は奇跡的だと評し、『ファーストポスト』のシュリーマイーダスは、このアニメーションは呪術的な複雑さを持っていると述べた。『バラエティ』のオーウェン・グライバーマンは、「本作は、生き生きとした自然主義の輝き(渦巻く花びら、目を奪うようなパステル)で映像化されており、瞬間的にはほとんどサイケデリックだ」と絶賛した。『ハリウッド・リポーター』のデビッド・ルーニーは、本作の色彩と衣装、自然環境、カシータのデザインを特に賞賛した。『インディワイア』では、クリステン・ロペスが映像の美しさと生命力を絶賛した。『IGN』のアンドレア・タワーズは、アニメーションを美しいと評価した。『デイリー・テレグラフ』の映画評論家であるロビー・コリンは「本作のアニメーションは、技術的な効果や、特にミュージカルナンバーでは、1年前では想像もつかないような創造的な空想の飛行で、あらゆる意味でまばゆいばかりだ」と特に驚嘆した。 批評家たちは、楽曲を「魔法にかかったようだ」と評価した。『エンパイア』のベン・トラヴィスによると、ミランダの魅惑的で不思議なメロディと歌詞の豊かな才能を再び示すものだという。『シカゴ・サンタイムズ』と『デイリー・ヘラルド』では、それぞれリチャード・ローパーとダン・ガイアーが「感染力が強く、すぐに記憶に残る」「感情が凝縮され、言葉も軽快」と評し、『デトロイト・ニュース』のライター、アダム・グラハムも「本作を空へと引き上げる」とコメントした。同様に、『アリゾナ・リパブリック』のビル・グッディクーンツも、本作のピークであると評価した。『CNN』のライター、ブライアン・ローリーも同じような見解を示した。しかし、『ナショナル・レビュー』のカイル・スミスが「どぎつい凡庸さ」と評するなど、多くのジャーナリストがこの音楽に難色を示した。『エンターテインメント・ウィークリー』のクリスチャン・ホルブは、「さわやかで楽しい」と評価しながらも、「記憶に残らない」と評価した。『ブリーディング・クール』に寄稿したケイトリン・ブースは、音楽は「特に特別なものではない」とし、曲がない方が作品にプラスになると考えた。 レビュアーは、本作の表現力と多様性を特に高く評価した。『ガーディアン』に寄稿したシムラン・ハンスは、文化的にユニークな世代間のトラウマや変位に対する意識に興味と驚きを覚えたという。『ニューヨーク・オブザーバー』のラファエル・マトマヨールは、文化的表現の偽装を批判しながらも、「本作がコロンビアの描写の特殊性に飛び込むと、刺激的でニュアンスがあり複雑な魔法のリアリズムの冒険になる」と述べ、ディズニーを「新しい時代」へと押し上げると述べた。『インデペンデント』のクラリッサ・ラググレイは、その文化的特異性が単なる美的感覚や言語的参照にとどまらないことを強調し、マジックリアリズムや様々な肌の色を取り入れたことを評価した。『タイムアウト』のウィーラン・バーゼルは、本作を「ラテンアメリカの多様性に対する本物のラブレター」だと総括した。 家族の絆を描いた点が評価され、本作の強みとなった。『スラントマガジン』のデレク・スミスによると、「家族の価値という典型的なメッセージだけでなく、どんなに素晴らしい家族でも、それを維持するためには多くの努力を必要とするという概念を表現することに成功した」と評価した。『デントン・レコード・クロニクル』のプレストン・バーラは、「家族で見るべきイベント」になった要因として、家族というメッセージを挙げ、同じく『コリダー』に執筆しているジャーナリストのマット・ゴールドバーグは、「家族で十分である」というメッセージを賞賛した。『Polygon』のペトラナ・ラドゥロヴィッチは、家族間の交流が驚くほどリアルで、魔法のような比喩によって強化されていると述べた。多くの批評家も本作の感情の深さを高く評価した。『ジ・オンライン・AVクラブ』のキャロライン・シーデは、世代間のトラウマの描写を賞賛した。『スクリーン・インターナショナル』の評論家ティム・グレイアソンによれば、監督たちが脚本の根底にある感情に集中したとき、本作は非常に感動的なものになると述べた。『シネマブレンド』に寄稿したダーク・リッベーは、どの観客も、自分が最も共感できるキャラクターを見つけたら、やがて涙を流すだろう、と評した。『ムービー・ウェブ』では、ミラベルの「受容」と「目的」の探求を取り上げ、「バケツの涙を流すことになるだろう」と述べた。 「ディズニーの定石」については、本作は評価が分かれ、「定石からよく外れている」という意見もあった。『フォーブス』のスコット・メンデルソンは、本作を「型破りだ」と評し、『ワールド』のコリン・ガルバリノは、プリンセスや悪役がいないこと、コミュニティに焦点を当てたことなど、定石から逸脱した点をいくつか指摘した。『ヴァルチャー』のビルジ・エビリは、本作の魅惑的な特質は「小規模な物語」によるものだと考えた。マドリガルの内なる旅が典型的な「ディズニーのスペクタクル」と組み合わさったとき、それは予想外の、まさに「サーキアの力」となると評価した。また、他のディズニー映画とあまりにも似ていると感じた人もいた。『ピッツバーグ・マガジン』のショーン・コリアーは、本作を「ありきたりなディズニー映画」と感じ、『ガーディアン』のピーター・ブラッドショウは、「隠喩的なケーキを食べてしまおうとしている」と考え、作為的であると判断した。『/Film』のジョシュ・スピーゲルは、これまでのディズニーやピクサー作品の多くに見られる定型的な部分が混在しており、それらを目立たなくすることに失敗していると考えた。 何人かの批評家は、本作は焦点が定まっていないと評価している。『アイリッシュ・インディペンデント』のポール・ウィッティントンは、「あまりにも目的がなく、誰も長い間満足させることができない」と評価した。『マッシャブル』のアリス・フォーマンも同意見で、ミラベルの旅のいくつかの部分が恣意的であると感じており、特に中盤の部分を退屈だと否定的な意見を持っている。『グローブ・アンド・メール』のライターであるアパリタ・バンダリは、外的要因ではなく内的要因による葛藤といくつかの未解決の質問によって混乱し、作品に没頭することができなかったと主張した。『USAトゥデイ』のブライアン・トゥルーイットは、本作の焦点を見逃している第3幕に失望を表明した。『ケンス』に寄稿したデビッド・リンチは、ミラベルとアルマの関係が未発達であることと、文章が不器用なために弱かったと述べた。また、複数の批評家が本作の欠点として、悪役の少なさを挙げた。 『Metacritic』によれば、『CNN』と『デイリーニューズ』がランク外、『ピッツバーグ・ポスト・ガゼット』が9位を含む5つの評論家トップ10に本作が登場した。また、『ペースト』(10位)、『Rotten Tomatoes』(6位)、『スクリーン・ラント』(ランク外)、『ムービー・ウェブ』(5位)、『ヴァルチャー』(ランク外)、『コミック・ブック・リソーシズ』(6位)など、2021年のアニメ映画のリストにも登場した。『バラエティ』『インディワイア』『ゴールド・ダービー』『エンターテインメント・ウィークリー』『ハリウッド・リポーター』『デン・オブ・ギーク』『ロサンゼルス・タイムズ』は、本作をアカデミー賞アニメ映画賞の受賞候補に挙げ、最終的にかなった。 『デンバーポスト』のジャーナリストであるジョン・ウェンゼルは、本作や『ウエスト・サイド・ストーリー』や『愛すべき夫妻の秘密』などの2021年の作品と並んで、「ラテン系の声は、アメリカ映画界で瞬間を迎え、テレビ、本、映画、ビデオゲーム、舞台、ニュースメディアで長い間無視されてきた文化の多様性を注入しつつある」と記した。『USAトゥデイ』に寄稿したパミラ・アビラは、本作がディズニー初のオールラテンアメリカンキャストによる長編映画であり、「ヒスパニック系家庭の年長者と若年層の間の複雑な綱引き」を捉えていると強調した。観客の約25%はヒスパニック系の世帯で、40%は2歳から11歳の子どもたちとなった。 『ビルボード』ライターのレイラ・コボは、シャキーラ、マルーマ、J・バルヴィンといったコロンビア人ミュージシャンのアメリカでの成功を受けて、コロンビアは本作を通じて「ようやく見られるようになり、ただ聞かれるだけではなくなった」と語った。コボは、本作がアメリカのメディアが一般的に行っているようにラテンアメリカ諸国を均質化せず、コロンビア独自の文化を正確に描いている点を高く評価した。「アクセントから服装、手描きの食器や刺繍のドレス、食べ物、肌の様々な色、そして動物まで、オオハシやガブリエル・ガルシア=マルケスの代名詞である黄色い蝶々など、細かな部分まで描かれている」と語った。 『ポップシュガー』のヨハンナ・フェレイラは、本作とそのサウンドトラックの両方の成功は、「アニメ映画におけるこの種の表現の重要性と意義だけでなく、このような作品がラテン系の物語が語られる方法を本当に変えている」ことを物語っていると書いた。彼女は本作が家族の重要性とラテンアメリカ文化への敬意を称え、「ラテンアメリカ人が書いたラテンアメリカ人についてのアニメーションストーリー、ラテンアメリカ人が声を担当したキャラクター、ラテンアメリカ人のステレオタイプではなく、実際にラテンアメリカのコミュニティを称えるストーリーライン」を特徴としていることを述べた。 『ロサンゼルス・タイムズ』のミカエル・ウッドは、本作はそのユニークな演出と音楽によって「2022年最初の広範な文化現象」となったと述べた。『ファー・アウト』のジャーナリスト、タイラー・ポーゼンは、この効果を「エンカント・マニア」と呼んだ。本作をめぐるさまざまなソーシャルメディアの動向は、「自分の子どもが、おそらく初めて映画の登場人物に自分を重ね合わせたという動画を投稿する人たち」にも注目された。ルイーザの外見は、ディズニーがこれまで描いてきた「小さくてやせた女性」ではなく、「筋肉質な女性」を表現していると評価された。2022年1月23日現在、TikTokでハッシュタグ「#encanto」が付けられた動画は、合計で115億回以上再生された。2022年初めに流行したミーム「We Don't Talk About Apple Bottom Jeans」は、「We Don't Talk About Bruno」をダブらせ、他のパロディを刺激して3ヶ月弱で3100万回以上再生された。 本作の登場人物とその関係性は、精神衛生の専門家の間で話題になった。専門家の多くは、彼らのクライアント、特に移民一世の子どもたちが、本作に「自分自身を映し出している」、「他の方法では言えないようなことを伝えるために本作を利用している」と報告した。ミラベル、イザベラ、ルイーサ、アルマ、ブルーノが最も話題になったキャラクターで、ブルーノはニューロダイバーシティの家族と関連付けられた。『CNN』の取材に対し、心理療法士のカデシャ・アデラクンは、本作には「非常に多くの層がある」と述べ、「多くの家族が経験している」問題を描いているとした。 第94回アカデミー賞では、作曲賞と歌曲賞にノミネートされ、アニメ映画賞を受賞した。第65回グラミー賞のビジュアルメディア部門で映画・テレビサウンドトラック部門、コンピレーション・サウンドトラック部門、楽曲部門(「秘密のブルーノ」)の3冠を受賞した。他にアニー賞、英国アカデミー賞、クリティクス・チョイス・アワード、ゴールデングローブ賞を受賞した。また、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 アニメ映画賞を受賞した。 ジャレッド・ブッシュとチャリーズ・カストロ・スミスは、Disney+シリーズの可能性に前向きであることを示した。ブッシュは、家族のどのメンバーについての番組でも喜んで見ると言い、カストロ・スミスは、ミランダがドロレスの番組を作ることにとても興味があると話した。ディズニーのボブ・チャペックCEOは、2022年2月の決算説明会で、本作を同社の最新フランチャイズと説明した。 公式ウェブサイト ミラベルと魔法だらけの家 - 映画.com ミラベルと魔法だらけの家 - allcinema ミラベルと魔法だらけの家 - KINENOTE ミラベルと魔法だらけの家 - シネマトゥデイ ミラベルと魔法だらけの家 - MOVIE WALKER PRESS Encanto - オールムービー(英語) Encanto - IMDb(英語) Encanto - Metacritic(英語) Encanto - Rotten Tomatoes(英語)