『ラーヤと龍の王国』(ラーヤとりゅうのおうこく、原題: Raya and the Last Dragon)は、2021年のアメリカ合衆国のコンピュータアニメーション映画。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ製作。同社59作目の作品であり、監督はドン・ホールとカルロス・ロペス・エストラーダ、プロデューサーはオスナット・シューラー、ピーター・デル・ヴェッチョが務めた。キャストはケリー・マリー・トラン、オークワフィナ、アイザック・ワン、ジェンマ・チャン、ダニエル・デイ・キム、ベネディクト・ウォン、サンドラ・オー、タライア・トラン、ルシル・スーン、アラン・テュディックらが務めた。主人公のラーヤは伝説の“最後の龍”を探し、クマンドラからドルーンと呼ばれる心を持たない魔物を追い出すため、“龍の石”を復元するため旅に出る。 本作は、東南アジアの伝統文化をインスパイアした。2018年10月に製作が開始され、2019年8月にプロジェクトを正式に発表、キャストとともにタイトルを明らかにした。製作中の2020年8月、当初発表された主演のキャシー・スティールが、キャラクターとプロットの変更によりケリー・マリー・トランに交代するなど、複数のキャストとスタッフの交代を発表した。新型コロナウイルス感染症の世界的流行時、Zoomなどのデジタル通信ソフトを使って自宅で作業するなど、感染対策を徹底した。 ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズは、本作を2020年11月25日にアメリカで劇場公開する予定だったが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響で2021年3月5日に延期した。これによる映画館への影響で、Disney+のプレミアアクセスで同時配信した。また、「2021年に最も視聴されたストリーミング映画」で3位となり、全世界で1億3千万ドル以上の興行収入を記録した(Disney+のプレミアアクセスからの収入は含まない)。批評家は、アニメーション、映像、アクションシーン、キャラクター、キャストなどを評価した一方で、東南アジア系キャストの不足、時代錯誤のユーモアなどを批判した。第94回アカデミー賞や第79回ゴールデングローブ賞の長編アニメ映画賞などにノミネートされたが、最終的に同じくウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの作品である『ミラベルと魔法だらけの家』が両賞を受賞した。また、第49回アニー賞で10部門にノミネートされ1位を獲得したが、どの部門でも受賞することはなかった。 劇場においての同時公開作品は『あの頃をもう一度』。